宮本茂に学ぶアイデアの出し方【星野源も活用!】

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アイデア出しで困っている人

仕事でアイデアを出さなくてはいけないんだけど、思いつかない・・
思いついても改善がうまく進まないし・・・。
いいアイデアが思いつく方法とかないのかな?

このページではこういった疑問にお答えします。

本記事の内容

  • 宮本茂流アイデア論により問題解決に適した「いいアイデア」の出し方がわかる
  • 星野源さんや任天堂社内で活用した宮本茂流アイデア論の事例

このアイデアの考え方は、スーパーマリオブラザーズで全世界4,024万本売り上げ、『TIME』誌アメリカ版で、「TIME 100(世界で最も影響力がある100人)」に選ばれた任天堂宮本茂さんのアイデア論です。

また、この宮本茂流アイデア論は星野源さんの『アイデア』にも生かされています。(発売初日で10万ダウンロード、オリコンのデイリーデジタルシングルランキング史上最高記録を達成)

「そんなのはもともと才能がある人だからできたんだ。」

と思うかもしれませんが、このアイデア論は任天堂社内でも共有されていて、数々の大ヒットゲームに生かされています。

では、宮本茂流アイデア論とそのアイデア論を活用した事例を紹介して行きます。

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宮本茂に学ぶアイデアのつくり方


まず最初に、宮本茂さんが考えるアイデアを定義した言葉を紹介します。

アイデアというのは、複数の問題を一気に解決するものである

これは岩田聡さん(任天堂前社長、故人)が糸井重里さんと「アイデアとはなにか?」という話をしていた時に、宮本茂さんがゲームつくりの方法論として語った様々な内容を、宮本茂流アイデア論として紹介した言葉です。

宮本茂さん自身もこの言葉を聞いて、より意識するようになったそうです。

宮本茂の言う「いいアイデア」とは?

一つの問題に対して、一つの改善を行うことは「いいアイデア」ではありません。

一つの改善によって、この問題も、あの問題もよくなり、さらに思いもしなかった問題まで解決する。そんな「いいアイデア」を見つけることが、全体を前進させゴールに近づく事ができるからです。

具体例が、岩田聡さんと糸井重里さんの対談記事にのっていたので引用します。

たとえば、ある料理店で、お客さんが
出てきた料理について「多い」と言ってる。
そのときに、「多い」と言ってる人は、
なぜ「多い」と言ってるのか。
その根っこにあるものは、
じつは「多い」ことが問題じゃなくて、
「まずい」ことが問題だったりするんです。
引用:ほぼ日刊イトイ新聞 アイデアというのはなにか?

「多い」と言う問題に対して「少なくする」と言う改善をしても根本的な改善(お客さんの満足)にはつながらないと言うことですね。
もしここで、本当の問題が「まずい」ことだと気がつけば、お客さんの不満も解消するし、もっとお客さんが増えることにつながります。

複数の問題を見つけることの重要性

アイデアとは、問題や障害などの困ったこととセットになっています。なのでまずは多くの問題を見つけることが重要です。

問題を多く見つけることで視野が広がり、根本的な問題を解決する視線が生まれ、「いいアイデア」が思いつく準備ができるからです。

宮本茂さんは、まず「できないことリスト」をつくるそうです。

『できないことリスト=多くの問題点』をみつけることで根本的原因をさがし、複数の問題をいっきに解決する「いいアイデア」を生み出そうとしています。

宮本茂流アイデア論を使ってうまれた星野源『アイデア』

『アイデア』は2018年(平成30年)3月14日にHNK朝ドラ『半分、青い。』の書き下ろし主題歌として1番だけ制作しオープニングに使用され、5ヶ月後の2018年8月20日に配信限定シングルとしてフルバージョンがリリースされました。

楽曲の大きな特徴

1番バンドサウンド→2番電子サウンド→大サビ弾き語り→バンドサウンド

1曲のなかに3曲分の要素をつめ込んでいて、大きく雰囲気が変化する構成になっています。

フルバージョンが発表されると、1番のバンドサウンド部分しか流れていなかったこともプラスして、大きな話題となりオリコンデイリーデジタルシングルランキング史上最高記録を達成しました。

そんな大ヒット曲『アイデア』は、星野源さんが宮本茂流アイデア論を知らなければ、うまれていません。

『アイデア』リリース時のインタビューや、オーディオコメンタリーなどで星野源さんの好きな言葉として宮本茂流アイデア論を、たびたび紹介しています。(下記引用)

『アイデア』という曲を、まだ1番しかない状態で、これはこのままじゃいけない気がするって思ったときに浮かんできた問題点っていうのがバーッてあって。それをどうやったら解決できるのかっていうのを『ううー』ってずっと考えて、〜中略〜 ボクは大好きな言葉があって、任天堂の宮本茂さんの言葉で、『アイデア』というのは複数の問題を一気に解決するのがアイデアだと。
引用:NHK『星野源スペシャル POP VIRUS ライブ&インタビュー』

では、どのように宮本茂流アイデア論をつかって1番の問題点を解決し、大ヒット曲『アイデア』をうみだしたのか?検証していきます。

『アイデア』フルバージョン製作時に浮かんだ問題点

『アイデア』TVサイズ版をつくったあと、映画主題歌『ドラえもん』のリリースをはさんで『アイデア』フルバージョンの制作を再開し「このままではいけない気がする。」と思ったときに浮かんだ問題点を下記でまとめました。

『アイデア』TVサイズ部分の問題点

  • 自分の『陰』の部分を表現したい
  • 今の自分がやりたいアレンジの方向性ではない
    (でも、TVサイズ版と全く違うアレンジにはしたくない)
  • 2番からアレンジを変えた場合、必然性がない

では、上記の問題点を一気に解決する、星野源さんのたどり着いた「いいアイデア」とはなんだったのか?お伝えします。

『アイデア』製作時にうまれた「いいアイデア」とは?

2番の歌詞で自分の『陰』を表現する

1番の歌詞は世間からもとめれれているパブリックな自分のイメージだと感じ、2番で本当の自分との乖離からうまれた『陰』を表現すれば、アレンジを変える必然性がうまれ『アイデア』TVサイズ部分の問題点をすべて解決することができます。

まさに、星野源さんは宮本茂流アイデア論によって複数の問題を解決する「いいアイデア」をうみだしたと言えますね。

「いいアイデア」から生まれた功績

さらに「いいアイデア」は思いもしない功績をうみだしているので、下記にまとめます。

「いいアイデア」から生まれた功績

  • 1番バンドサウンドからの変化による『驚き』がうまれた
  • 原点である大サビの弾き語りパート部分がうまれた
  • 全ての自分をつめこんだ曲に仕上がった

「いいアイデア」によって、1番は『陽』の自分→2番は『陰』の自分→大サビで原点の自分を表現するというコンセプトがうまれ、結果として全ての自分をつめこんだ『アイデア』がつくられたと言えますね。

では最後に、星野源さん『FamilySong』のオーディオコメンタリーで宮本流アイデア論を紹介したときに語られた言葉を載せます。

「みんなは諦めてしまうところを、僕はこの言葉を知っているから諦めない。」

事例:宮本茂流アイデア論を使った任天堂ゲーム


宮本茂流アイデア論は、星野源さんのような一部の天才しかつかえないわけではなく、誰でもつかえる再現性があります。

任天堂社内でも共有されていて、宮本茂さんだけでなく社員からの「いいアイデア」でつくったゲームが、ヒットしているからです。

では、下記より具体例を紹介しますね。

NewスーパーマリオブラザーズWiiの「いいアイデア」

NewスーパーマリオブラザーズWiは、四人で同時プレイができるマリオとして制作され、下記のゴールを設定していました。

ゴール

うまい人も、あまり上手でない人も、いっしょに遊べる新しい『マリオ』

制作の中で、すぐにゲームに復帰できるようないい方法はないだろうかと検討したそうです。

問題点

  • ミスが起きて復帰するまでの時間が手持ちぶさたになる
  • すぐに復帰してもなんらかのペナルティが必要
  • あまりうまくない人が難所で復帰しても、すぐやられてしまう

いいアイデア

シャボン玉に入った状態で復帰する

いいアイデアによる功績

  • シャボン玉を誰かが割らないと復帰できないので、良いペナルティになる
  • シャボン玉の状態で移動できるので、難所での復帰を回避できる
  • やられなくてもシャボン玉にはいつでも入れるので、安全なところまで移動できる

当初のゴールだった、うまい人も、あまり上手でない人も、いっしょに遊べる新しい『マリオ』に、たどり着くことができたと言えます。

任天堂関連の本を紹介

ということで、そろそろ記事を終えますが、最後に「任天堂関連の本」を紹介します。

とはいっても、宮本茂流アイデア論をかいた本はないので、任天堂に関連するものになります。
この記事を読んで任天堂に興味をもった方にオススメです。

岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。/ほぼ日刊イトイ新聞

ほぼ日刊イトイ新聞から、岩田聡さんの言葉を集めた本です。
宮本茂さんが岩田さんについて語った言葉も収録されています。

>>ファミ通.com『岩田さん』編集担当・永田泰大インタビュー。

横井軍平ゲーム館 「世界の任天堂」を築いた発想力

横井軍平さん(元任天堂開発部長、故人)は、宮本茂さんが師匠とよんでいる方で、任天堂の玩具(レーザー銃など)や、ゲーム&ウォッチ、ゲームボーイを開発した方です。

横井軍平さんの名言として「枯れた技術の水平思考」という言葉があり、任天堂社内で共有され、今でもその考えは強く影響をあたえています。

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